スキー上達の手段として、私は、毎シーズン自分なりの目標を設定しています。
目の前の課題を少しずつクリアしていけば、自ずとして上達していくのではないかな〜と思って、なんだかんだチャレンジしているわけです。
その一つとして『スキー検定1級の前走を担当する』という目標を掲げていたのですが、これがもうホント〜〜に!想像以上にキツくて大変でした(涙)。
ちなみに、『前走』とは、これから受験する方たちに、コース状況や種目の確認をしてもらうため、各級の1番最初に滑る人のことを言います。
久しぶりに、ごはんが喉を通りにくい(通らなくもない笑)、という状況に追いこまれました。
今思い出してもちょっぴり心臓がバクバクしますが、この時の思い出を、準備段階から振り返っていきたいと思います。
検定前のトレーニング
検定2日前だったでしょうか。いつもお世話になっている先生(以下、師匠)のレッスンの中で、本番を想定した練習をさせていただきました。
前走が間違えたことしてしまうと、受験者さんたちは戸惑って、練習の成果を発揮できなくなってしまう可能性がありますので、皆さんのお手本となるような滑りをしなければなりません。
直近まではプライズテストに向けての練習をしていたので、少し気持ちを切り替えて、スピードはそんなに必要ないけど、丁寧かつ正確な滑りを目指して取り組みました。
この日の練習でも、私的にはかなり得るものがあったな〜と感じたのですが、コブは相変わらず苦手です(笑)。
滑りに行く時は毎度、コブがあれば必ず練習するのですが、恐怖心だったり(主にこれ)、ポジションの悪さだったりがあって、なかなか上手く滑れません。
上手く滑れたかな?と思っても、ビデオで確認するといつもブッサイクな滑り方で悲しくなります。
この日も結構コブも練習しましたが、なかなか自信を持てるところまでは行かないままに時間は過ぎ、心臓バクバクのまま当日を迎えるのでありました。
検定当日のコンディション
ずっと雪の少なさに悩まされ、いつクローズしてもおかしくないとささやかれていたシーズンだったのに、なんとこの日の前夜から早朝にかけて、大雪が降りました。
夜明け前に圧雪した後も降り続き、検定でなければ大喜びするところなんですけど、オープンからたくさんのお客さまが滑った後の検定バーンは、検定開始時間までにボコボコになってしまいました。
私の苦手のコブはと言いますと…。レッスンの時に練習したコブは跡形も無くなり、パウダーになっていました。
私はパウダーも苦手なのです(笑)。苦手種目のあるイントラなんてカッコ悪いですよね。早くもっと上手くなりたい…。
先輩イントラさんがコブを掘り起こす作業を一緒にしてくださいましたが、2人でやったところでなんとかなる雪の量ではなく、あえなく時間切れ。
コブはもう、なるようになれ!だな。と開き直りつつ、種目は大回りからなので…というか、まず開会式がありますし、前走の担当者は受験者の皆さんを引率するという大事なお仕事もあるので、一旦気持ちを切り替えます。
各種目の結果と反省点
パラレルターン大回り
1種目目、パラレルターン大回り。 バーンは多少ボコボコしていたものの、そこまで気にするほどではなく、教わったポイントに気をつけながら滑ります。
だいたい気をつけてることって、滑り出すとどっかに飛んでいってしまうものなのですが、わりと冷静に滑れたかな…という感触でした。
このあと受験者の皆さんがどんどん滑り降りてくるので、どこかわかりやすいところで待機だな〜と思って場所の確認をしていたその時。
近くにいたちょっぴり強面の先輩イントラさんが雪上をダッシュしてきたので、何かマズいことしたか?とビビっていたら、なんと、『上手くなったね!』と声をかけてくださいました!
そんなわざわざ走って言いに来てくださるなんてビックリしましたが、次のお仕事が待っているので喜んでばかりもいられません。
基礎パラレルターン小回り
2種目目、基礎パラレルターン小回り。私はコブの次に小回りが苦手です(笑)。
師匠からも、私の小回りはなんとかせにゃならん!と言われていまして、直前のレッスンでも小回りを重点的に見ていただきました。
自分的には小回りも教わったポイントに忠実に滑ったつもりでしたが、前述のちょい強面先輩いわく、ちょっとターン弧が大きかった、とのこと。
師匠にも後日ビデオを見てもらいましたが、師匠的にはそのくらいで良い、とのことでした。小回りは、わりと意見が分かれるところです。
総合滑降
3種目目、総合滑降。検定開始から時間が経ったことと、たくさんの一般のお客さまが滑ったことで、だいぶ雪面が荒れてきました。全面不整地です。
前走がスピードを出してしまうと、そのくらいスピードを出さないと受からないのかな?と思った受験者さんが焦って暴走してしまうので、ちょっと抑えめに滑ります。
と思っていたはずなのに、私うっかりスタート時に漕いでしまいました。プライズテストに向けて漕いでスタートをする練習をしていたので、つい1回だけ出てしまいました…。
しまった!と思いながら滑り降りましたが、受験者の皆さんは見ていなかったのか?漕いでスタートする人はいませんでしたし、暴走する人もいませんでした。
この日の受験者さんは、何度か受験された経験のある方が多かったみたいで、ゴールした後で『難しかった〜』と言ってる方もちらほらおられましたが、見た感じでは皆さんわりと落ち着かれていたように思いました。
強面先輩はウンウンと頷いていたので、とりあえず問題はなかったようです。
強面先輩は別件で現場におられたので、ここでさようならでした。次の種目のコブは見られません。良かった良かった(笑)。
パラレルターン不整地小回り
いよいよ4種目目、パラレルターン不整地小回り。
実は朝イチに焦ってコブを掘り起こそうとしていたパウダーバーンではなく、もう少し優しめのコースにあるコブの、最後にすとーんと落ちる部分を使ってやろうということに、開会式直前に決まっていました。
そのバーンにはだいたいいつもコブがあって、私もよく練習する場所で見慣れているので、そこに決まっていたことで安心して他の種目に集中することができました。
とはいえ、ドカ雪が降った後のその場所がどうなっているかわかりませんし、1級受験者さんにとっては難しいかもしれません。
他の検定員の方々が道具などを移動させている間に、先に受験者の皆さんと検定バーンへ移動。2回ほどインスペクションをしておいて、と言われていたので、皆さんとコブの様子を見に行きます。
まだパウダーだったり、コブの形がイマイチな場合は、受験者の皆さんと形を整える作業をしなければならなかったのですが、もうたくさんの一般のお客さまが滑られていたので、 いい感じのコブになっていました。
私も無事、リラックス(これ大事)して滑り降りることができ、この日の受験者さんは上手な方が多かったので、全員無事ゴールインしました。
もちろんコブも後でビデオチェックしましたが、やっぱりブッサイクな滑りで恥ずかしかったです。
まとめ
いやいや〜。無事に終わってホントよかったです。
失敗したり、先輩から見てイマイチな滑りだった場合、最悪、やり直させられるパターンもあると聞いてましたので…。
何事もなく終了し、お昼ごはんは超〜美味しく食べられました(笑)
自分からやると申し出たんですけどね。誰かにやらされたわけではありません。自分が今シーズンの目標の1つにしていたから、やりますか?と聞かれて『はい!やります!』と威勢よく申し出たんですけど。
だいぶ後悔しました〜。
結果的には、その日に向けてかなり集中して取り組むことができましたし、自分でも少しくらいは成長したかな…と思えたので、チャレンジして良かったと思っています。
何より周りからの評価がすこぶる良かったので、目の前の課題をクリアすれば上達する、という当初の目論み自体は上手くいきましたし、師匠からもお褒めの言葉をいただいて感無量です。
ただ!ホントに!プレッシャーが半端なかったです!
練習にお付き合い下さった先輩方や、ぎりぎりになってビビっている私を励まして下さった師匠や検定主任には、感謝しかないです(涙)。
また来シーズン…やるかな〜…。やった方が自分のためになることは分かっていますが、プレッシャーが半端ないことも分かってしまったので…。迷うところです。
とか言いながら、たぶんやっちゃう予感はします(笑)。
もっと上手になって、余裕でできたら一番いいんですけどね〜。そこを目指してはいるんですけれど。スキーってなかなか難しくて…。だから面白くてハマっちゃってるわけでもありますが。
とにかく良い経験をさせていただきました。間違いなく、2023〜2024シーズンの忘れられない思い出ナンバーワンです♪